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収穫後、約1カ月が経った温州(うんしゅう)ミカン。左はシルクコーティングを施したもので、右は施していないもの=ユナイテッドシルク提供
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 海に面した山の斜面にミカン畑が広がる。あたたかな日差しが降り注ぎ、甘酸っぱい実が育つ。愛媛といえば、そんな風景を思い浮かべる人も多いだろう。

 「かんきつ王国」と呼ばれる愛媛だが、シルクもまた、愛媛の伝統的な産物だ。古くから高品質で知られる「伊予生糸(いよいと)」は、伊勢神宮や皇室が使う御料糸(ごりょうし)に採用されてきた、由緒あるシルクだ。

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 そんな二つの産物が、令和の時代に結びついた。かんきつを長持ちさせる「シルクコーティング」の技術だ。

 シルク由来成分の水溶液をかんきつの表面にふきかけることで皮膜ができる。水分の蒸発を防ぎ、腐りにくくすることで、賞味期限を2~3倍に延ばせる。フードロス(食品廃棄)の削減やかんきつ農家の収入増につながる技術だ。実用化に向けた研究が、愛媛を拠点に進められている。

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